『季節のお話』復刊決定。

図書館から帰ってきてメールをチェックすると、復刊ドットコムからメールが届いていた。『季節のお話』の復刊交渉経過を知らせるメールがこの頃立て続けに来ていたので、また何か進展があったのかなあと見てみれば。
なんと。
著者お二人から復刊の許諾を得て復刊確定とのお知らせである。要望ページの掲示板では早速お祝いのメッセージが書き込まれていた。俺も早速書き込んだものである。いや、これは嬉しいね。
『季節のお話』というのは、新井素子さんの今のところ唯一の絵本である。初出は『SFアドベンチャー』の1990年1月号から12月号で、連載では新井素子さんが文章を、古川タク氏がイラストを担当したイラストストーリーという形式だった。それが一冊にまとまって出版されたのはいいんだけれども、何しろ絵本だから普通の単行本よりサイズが大きい。書店では新井素子さんの著書が置いてある棚に一緒に並ぶことはなく、児童書やその他のコーナーに置かれてしまっていた*1。そのため多くのファンにその存在を知られないまま絶版になってしまったのである。復刊要望ページに投票した皆さんのメッセージを読むと、この本が出ていたのを知らなかったのでぜひ読みたいという意見が多いのに驚かされた。
その本がようやく再び日の目を見るのである。復刊ドットコムにおかぽんさんが登録したのが2000年7月25日であるから、実に約5年の歳月を費やしての復刊決定である。要望ページを改めて見ると感慨深いものがある。
復刊のスケジュールなど詳細はまだ決定していないようだが、ここまで来れば一安心だ。まだ読んだことのない人にもこの機会に行き渡るといいんだが。

*1:新井素子さんちの近所の本屋では道路地図のコーナーに置かれていたなんてことがエッセイに書いてあったような。