森岡浩之『星界の紋章III 異郷への帰還』。

読了。きれいにまとまった終わり方がすがすがしい。初めて二人が出会った時に交わした言葉で締めくくる処なんか思わず顔が綻んでしまった。すらすら読めて面白い小説だった。「惑乱の淑女(ロージュ・ラビュルナ)」の伊達や酔狂で戦争している感じが気に入った。続編の『星界の戦旗』でも彼女は活躍してくれるのだろうか。期待したい。
ちょうど今キッズステーションでアニメ版が放映されていてこないだちらっとだけ見たんだが、そちらは主人公のナイーブな性格が強調されているような感じがした。小説の方はもっと鼻っ柱が強くて皮肉屋な印象だ。『新世紀エヴァンゲリオン』のアニメ版と漫画版におけるシンジくんの性格の違いを思い出した。どちらもアニメ版の方が軟弱である。特に深い意味はない。
次の森岡浩之本は、ちと視点を変えて『月と炎の戦記』を読んでみようと思っている。そのまま続編へと読み進まないのは、単に図書館の貸出期限の問題である。