復刊ドットコムブログ:本音のところ(2006/01/29)
「復刊した場合に本当に売れるのだろうか?」という本音は外部の者にとっても理解しやすい悩みである。新井素子さん関係の本の復刊要望について、俺が『季節のお話』と少数の例外を除けばあまり復刊の意義を見出せず、要望投票をしていなかったのも実はこの心配をしていたためだ。『季節のお話』の場合は、復刊要望を読むと出版されていたことを知らない人が多かったことが判る。版型が通常の小説より大きく書店の小説コーナーに置かれることが少なかったために、読者の目に止まりにくかったのである。潜在的な読者は存在したのに、機会を逃したため読まれなかった本を復刊する意義は大きいと考えた。
しかしブログに書いてあるように、その本が売れなければ商売は成り立たない。復刊したことを喜んでばかりもいられないのは共感できる。今日現在、ブッキングは『季節のお話』の在庫を348冊抱えている。入荷したのは全部で500冊だった。ブッキングとしてこの在庫が多いか少ないのかというのは部外者には判らないが、仕入れた本が4ヶ月経って半数以上残っている、というのは問題ではないのだろうか。要望投票は俺を含めて209票集まり、俺はブッキングで購入したから、他に151人の方が購入したことになる。投票上の数字ではあと57冊売れてもおかしくない筈で、その分が残ってしまっているのはどういう訳だろう*1。
この在庫はどうなるのか。『季節のお話』の販売実績は以後新井素子本を復刊させる際の資料となる筈である。場合によっては票数は集まったのに復刊できなくなる場合だって出てくるだろう。俺が心配することではない*2けれども、少しでも多く売れて欲しいと思うのもファンとしての「本音」である。
ただし、ブッキング側にも文句がある。購入すると必然的に送料を取られてしまうことである。amazonやbk1、その他のネット書店でも買える本なのに、そちらは大抵の場合1,500円以上は送料が無料になる(bk1の場合はメール便のみだが)。復刊本が刊行されたことを伝えた素研の記事でも、そのことは明記した*3。素研のリンクを経由してamazonやbk1で『季節のお話』を買って下さった方は数十名に上る。復刊要望の投票をした上で、ブッキング以外の書店で買った方もおられたかも知れない。ブッキング側の企業努力も必要であるように感じている。