レイ・ブラッドベリ『ウは宇宙船のウ』。

読了。図書館で借りた本。情感が胸に迫る作品群がなんともいい味を出している短編集である。未来の話が多いのに郷愁をそそられるというか懐かしい感じがする。物語はどれも粒ぞろいだが、一番長い話「霜と炎」が面白かった。異郷に置かれた人間たちの異常な成長速度の苛烈な描写の、その加速感が申し分なく伝わってきてつられて一気に読み終えてしまった。結末もストンと終わって切れ味がよい。