谷山浩子『悪魔祓いの浩子さん』。
自分の本棚にあった文庫版のエッセイ集。奥付を見ると昭和61年5月発行となっている。ということは読んだのは高校3年生の時だな。そんなに前になるのか、と少しびっくり。で、何気なく読み返していたら、文庫版のためのあとがきに新井素子さんの名前が登場していてまた驚いた。
自身がDJを務めていた「オールナイトニッポン」の思い出話の途中のP.225。
ほかにも、世にもめずらしい「新井素子姫の歌う『待つわ』」なんてのもありましたね。素子サンの声はとてもセクシーで、あの時のテープは、まだしっかり保存してあるはずですよ、奥さん。
新井素子さんがあみんの『待つわ』を歌ったのは1983年1月27日の放送でのことで、谷山浩子さんとのデュエットが公共の電波に乗ったのだった。読んだ当時は気にも留めていなかった記述だが、今読んでみると両者の関係がほの見えてなかなか興味深い。
収録されたエッセイに「手塚治虫さんのファンの集いは不可思議郷だった」というタイトルのものがある。ファンの集いに震えながら出席したら、男性ファンの手塚治虫を見下したような攻撃的な質問にムカッと来た、と書いてある。このエピソードは覚えていたのだが、俺は何故か新井素子さんが書いたと思い込んでいて、今回読み返さなかったらずっと間違えたままだった。どうしてこんがらがったんだろう。
- 『悪魔祓いの浩子さん』,谷山浩子,新潮文庫,320円,ISBN:4101372020