読了。書店にて購入。『日本沈没』33年ぶりの続編。序章からラストシーンまでストーリーはよくできている。よくできているが綺麗にまとまりすぎていていまいち心に引っ掛かるものがない。できれば、
- 第一部の後、苦難の渦に叩き込まれた日本人達の個別の悲劇的なエピソード
- D計画に携わった人々がこの第二部までをどう過ごしたか(特に中田)
- 日本の国体とその変遷
つまりこの話の背景をもっと具体的に書いて欲しかった。前作で「何もせんほうがいい」とまで言われた暗澹たる日本人の将来が、そこまでひどいものであるようには読めなかったのである。肩すかしを食らったような感じがした。
ともあれ続編が読めただけでも幸せであることは間違いない。楽しく読んだ。
- 『日本沈没 第二部』,小松左京+谷甲州,小学館,1800円+税,ISBN:4093876002