ゲイリー・オブライトの衝撃。

仕事の休憩時間に格闘技好きでもある店長と話をしていたら、ゲイリー・オブライトが初来日したUWFインターナショナルの静岡産業館の試合を奇遇にも同時に見ていたことが判明した。いやあ世間は狭いねえ。というか静岡での格闘技の興行自体が少ないから、好きな人がかち合う可能性はかなり高いんだけどさ、それでも驚いたし同じ時間と空間を共有していた人を見つけてちょっとうれしかったりもした。で、ゲイリー・オブライトのスープレックスは凄かったよねえとしみじみと話し込んだりして。
相手をぶっこ抜くように投げ頭からマットに叩きつけるあのスープレックスを初めて見た時の衝撃は今だに忘れられない。その時の試合が初参戦だったのでどんなレスラーなのか予備知識が全くなく、そのビア樽のような体型からどうせ大した奴じゃあねーだろうと高を括っていたのである。それがジャーマン・スープレックスたった一発で当時若手だった垣原をノックアウト。当時(今もか)、ジャーマン・スープレックスという投げ技は「必殺技」という地位から滑り落ちて久しく、ジャーマンがフィニッシュ・ホールドになる試合も滅多になかったものである。それなのに。強烈なんてもんじゃなかった。怪物が来ちゃったと思った。日本で最初にそれを目撃してえらい興奮したのを覚えている。
で、その後スープレックスを武器にUWFインターで大活躍することになったのだが、それも昔の話である。UWFインターは既に無く、彼も若くしてこの世を去った。でもあの衝撃的なデビューだけは目に焼き付いて忘れることができない。