『静岡新聞』2009年4月25日夕刊。

文化・芸術面に有川浩のインタビューが掲載されており、新井素子さんの名前が登場している。記事のタイトルは「大人向けライトノベルを 作家の有川浩さん」。ファンにとっては内容に特に目新しい情報はないが、地方紙にこのような記事が載るのは読者の裾野を広げる意味で貴重である。静岡新聞の独自記事か、ニュース配信会社が提供したものであるかは不明。無断で転載してみる。

表現の自由とラブコメと戦争をミックスした「図書館戦争」シリーズで一躍人気作家となった有川浩さん。「これまでで一番はっちゃけて書いてしまった」と思っていたところ、年輩の読者から多くのファンレターが届いて驚いた。
「誰がカッコイイとか、あの二人はどうなるのかとか、若い人の感想と全然変わらないんです。面白さのアンテナは若者もお年寄りも共通なんだなあと思いました」
じゃあ今度は年輩の人を主人公にしてみよう、と思って書いたのが新作「三匹のおっさん」(文芸春秋)。定年退職した「おっさん」とその仲間たちが自警団を結成し、痴漢やマルチ商法といった町内の悪を懲らしめる痛快娯楽小説だ。
物語を引っ張るのは、剣道の達人のキヨ、機械オタクのノリ、万年ジャージーのシゲといった個性的な面々。キャラクター重視の創作手法は有川さんがライトノベル出身であることが大きく影響している。
ライトノベルはキャラが立ってなんぼの世界。筋がいくら面白くても、キャラが魅力的じゃないと読者はついてきませんから」
有川さんも子どものころ、新井素子さんらのジュニア向け小説に夢中になった。当時はライトノベルという呼称はなかったが「楽しむためだけに読んでいい小説と位置付けていた。本の楽しさを教えてくれた大事な存在です」と振り返る。
ライトノベルは基本的に若い世代向けのもの。だけど、楽しんで本を読みたいという思いはどの世代も同じはず。大人向けのライトノベルを書いていきたいですね」

ちなみに本日『海の底』の文庫版が角川文庫から発売された。『電撃文庫マガジン』に発表された短篇「海の底・前夜祭」が収録されてお得なので、まだ読んでいない人は是非。

追記(2009.04.30)
上記の記事は共同通信が配信したものとのこと。「有川日記」4月28日に記述があった。