勝間和代が「新井素子さん、全集でないかなぁ」とつぶやいた件。

6月1日にtwitter勝間和代氏が「新井素子さん、全集でないかなぁ」とつぶやいたんだが、俺を含めそれに反応する人が次々に現れて面白かったのでトゥギャってみた。

勝間氏が新井素子ファンであることは知っていたので*1、この発言自体には驚かなかったが、これがきっかけとなって新井素子作品を読んでた人たちがポコポコ出てきた、というのがtwitterらしくて新鮮だった。
2010年現在の著名人の発言なので、これがきっかけで『新井素子全集』が本当に出ればうれしいと思いつつ、一方で実現するには様々な障害があることは、出版事情に疎い俺でも予想できる。

  1. 誰が編集責任を負うか?
  2. 出してくれる出版社はあるか?
  3. 新井素子さんは許可してくれるか?
  4. 版権保持者を説得できるか?

この辺りは条件次第でクリアできる可能性はゼロではないだろう。まだ著者が生きてる内に全集なんて……と不謹慎に思う向きもあるかも知れないが、筒井康隆小松左京も既に全集を出していることを思えば、新井素子さんの全集が出たって悪いことはないんではないか。
ただ、例え上記4点がクリアできたとしても個人的にまずいと思うのが現時点で未完の作品があることだ。『ふたりのかつみ』のことである。作者が故人であるなら未完の作品を全集に収録するのに何の不都合もない。しかし著者が存命中なのに「全集」に未完の作品を収録するのはあり得ないんじゃないか。
いやまあ、全集の刊行にかこつけて新井素子さんの尻を叩き『ふたりのかつみ』を完結させるチャンス、とポジティブな方向へ考えることもできるかも知れない。また、一度「全集」として刊行しておいて、その後『新井素子全集 完全版』、『新井素子全集 完全版・完結編』などと増補していくという手もあるけど、それをやったら結局「全集」にふさわしくない内容だったと逆説的に言ってしまうことになる訳で。この点をクリアするアイデアはあるだろうか?(2010/08/01追記:つーか本人存命中に出す全集はそもそも「全集」にふさわしくない訳で、作るとしたらそれを踏まえた上で、ということにはなるだろうけども。)
あと、nakaさんが書いてるように*2、もし刊行が決定したら新井素子さんが校正などの作業に係わらざるを得ず、必然的に新作を書く時間が削られるので、新作を待ちわびている僕たちはより寂しい思いを強いられることになる、ということも覚悟しておかなければならないだろう。それはありなのか?
上記の問題点がクリアできるなら、全集が出るのは基本的に歓迎である。