2013年9月の読書メーター(まとめ)

読んだ本の数:29冊
読んだページ数:6207ページ
http://book.akahoshitakuya.com/u/153604/matome?invite_id=153604

おれは直角(1) (ビッグコミックススペシャル)

小山ゆう画業40周年記念で出版されたの新装版。そんなになるんだねえ。読んだことなかったので買ってみた。ご城代が笑える。直角ファンか。全6巻刊行予定。続きも買う。
読了日:9月30日 著者:小山ゆう

犬とハサミは使いよう(3) (ファミ通文庫)

第六章「光陰犬の如し」のラスト。そうそう、読んでる時それがすっごい気になってた。好きな作家の作品が目の前で書き上がってるのに、ほっとけないでしょ。
読了日:9月29日 著者:更伊俊介

敗走記(1)関ヶ原〜大阪「島津の退き口」を辿る (イブニングKC)

関ヶ原の戦いで後に「島津の退き口」と呼ばれた壮絶な撤退戦に挑んだ薩摩島津軍の辿った道筋約250Kmを、キャリア的にもう後がないヘタレ中年漫画家が自らの敗走人生に思いを重ねつつ6日で歩き切る、という体験漫画。苛酷すぎる現実に直面しながら決して志を曲げない島津家中の面々と、苛酷な現実に直面するのも怖い主人公が交互に描かれるその対比が面白い。それでも歴史に思いを馳せ、色々な人と出会い、自らの姿を見つめ直している内に、主人公にはちょっとした心境の変化があったらしい。最後の方でちょっとホロッとさせられた。俺の人生は今までいいことなかったしこれからもいいことなんてないんじゃないかなんて思ってる人とか、信条が「人生即撤退戦」だったりする人は、読んでみるといいんではないかと思う。ヘタレな部分が実に共感できる。嫌になる程。
読了日:9月27日 著者:しまたけひと

わたしをみつけて

第一回静岡書店大賞の小説部門第1位に選ばれた『きみはいい子』と作品世界がリンクしており、先生と男の子のその後が判ってホッとした。主要な舞台は病院で、人や社会の弱さ暗愚さ身勝手さなど読んでいて辛い部分が多いのだが、それでも読後にはほんのりと心が温かくなる。「いい子」という言葉に呪縛された主人公の子供時代が胸に響いた。誰かはきっとあなたのことを見ている、のかも知れない。そんなことを信じてみたくなる。『きみはいい子』を読んだ人には、ぜひ『わたしをみつけて』も合わせて読んでみて欲しい。
読了日:9月27日 著者:中脇初枝

わたしをみつけて

わたしをみつけて

ふしぎなともだち (EDGE COMIX)

BLもの買ったの人生初かも。「わたしの宇宙」の野田彩子の別名だってんで読んでみた。なんですかねこの日常との位相のズレはそれなのに違和感なしに世界にすっと入れてしかも面白いっていう。同じ大学に通うオタク同人作家(コミュ力低い)と非オタク普通人(コミュ力高い)がアニメの話がきっかけで友達になっていくんだがその間にちらちらと見え隠れする友達と違うサインにドキドキした。「オタクめんどくせえ!!!」「めんどくさくねえオタクなんかいねえ!!!」の処すごい笑った。
読了日:9月26日 著者:新井煮干し子

ふしぎなともだち (EDGE COMIX)

ふしぎなともだち (EDGE COMIX)

3月のライオン(9) おでかけニャーしょうぎ付限定版 (ジェッツコミックス)

ボブとおかっぱの間には一千億光年の距離があると思いました。滑川七段のキャラがいい。
読了日:9月26日 著者:羽海野チカ

あるいは吾妻ひでおでいっぱいの吾妻ひでお (Azuma Hideo Best Selection)

裏表紙のきゃんちさんがエロい。後ろに回された左腕の脇から胸へのラインとか肋の下のなだらなかな腹筋とか。タイトル通り吾妻ひでおの本人キャラが登場する漫画を集めた中川いさみ監修のベストセレクション。今までの中で一番好みかも。
読了日:9月25日 著者:吾妻ひでお

勇しぶ。〜勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。〜 (1) (ヤングガンガンコミックス)

コミカライズの第二弾。ドラゴンコミックスエイジ版は割と原作に忠実だが、ヤンガン版は原作にいないキャラクターが登場したりちょっとエロっぽかったりとオリジナルの要素が多め。静岡県人としては、遠州弁を話すコンビニ店員のラムちゃん(勝手に略さんでや!)に要注目。アニメにも登場するよ!
読了日:9月25日 著者:柚木ガオ・左京潤

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。7 (富士見ファンタジア文庫)

出だしから異様に楽しくて笑いっぱなしで読んだ。そして前巻で自分の方向性をしっかり見定めたラウルがいろんなことに気付いていく過程なんか涙なしに読めませんよ小売業従事者としては。そうかあ、ラウル成長してるなあ。販売員として。(なぜラノベで、という疑問は個人的に却下)接客とか他店の偵察とか思い当たる節が相変わらず多いので家電販売員の人はみんな読めばいいじゃないとか思うんだがたぶん当事者の人たちは小説を読んでいる暇はない、というのもこれは個人的な経験なのだろうか。それよりもっと謎なのは無修正スライムて何だ。どこの何が無修正なんだ。あれか? これか? ああそんなところが! でもスライム。ラウルに懐きまくってるフィノのお尻にぱたぱた動く尻尾が見えるのはたぶんDCAコミック版の影響。かわいいったら。
読了日:9月25日 著者:左京潤

わたしの宇宙(1) (IKKI COMIX)

主要登場人物たちの在り方と同じように読み手である俺も果てしなく居心地が悪くなるのだった。これどういう風に続いていくんだろう。続き読むで。まだ読んでない人は帯が付いている内に手に入れるが吉。ちなみに帯の推薦文(と言っていいのか)はゆうきまさみが書いている。作者さんは「新井煮干し子」という別名でも漫画を描いているらしい。『ふしぎなともだち』(茜新社・EDGE COMIX)はヲタと非ヲタのBLで第一話のタイトルが「めぐりあい宇宙」だと。
読んだ理由は「もしや作者さん、新井素子さんのファンでは!?」というツイートを見たから。ストーリーは確かに連想しないでもないけどでも新井素子というより筒井康隆っぽくないかな筒井康隆あんまり読んでないけど、とか思いながら読んでたら、突然理由が判った。作者さんもしかすると新井素子ファンなのかも知れない。単なる偶然かも知れないけど。
読了日:9月25日 著者:野田彩子

わたしの宇宙 1 (IKKI COMIX)

わたしの宇宙 1 (IKKI COMIX)

大坂将星伝(下) (星海社FICTIONS)

青臭い。だがそこがいい。身震いする程、いい。戦国の世にあって自らの存在価値とは何かと身を焦がす程に問い続けた熱血親父たちの清冽でさわやかな青春物語、と言い切ってしまおう。毛利勝永というあまり世に知られていない武将をここまで描ききった作者さんの力量に拍手。すげー面白かった。
読了日:9月23日 著者:仁木英之

大坂将星伝(下) (星海社FICTIONS)

大坂将星伝(下) (星海社FICTIONS)

大坂将星伝(中) (星海社FICTIONS)

肥後の国人一揆→唐入り→関ヶ原の戦い。戦後に土佐を与えられた山内一豊の預かりに。関ヶ原では何もできないまま友が味方が負けていくのを見るしかなかった、という辛さ。友に託された志を胸に秘めていよいよ最終巻へ。
読了日:9月22日 著者:仁木英之

大坂将星伝(中) (星海社FICTIONS)

大坂将星伝(中) (星海社FICTIONS)

大坂将星伝(上) (星海社FICTIONS)

大坂の陣で名を馳せた割に「惜しい哉後世真田を云て毛利を不云」と真田信繁(幸村)程には知られていない毛利勝永を主人公にした小説。この巻では本能寺の変、秀吉の台頭、九州攻めを背景に、秀吉の黄母衣衆森吉成の子森太郎兵衛たる幼少期から毛利に改姓し龍造寺の姫を娶る少年期を描く。大人物視点ではなく一人の子供の視点から語られる歴史の出来事が新鮮で、あの戦の時は末端ではこんなことが……などと想像が膨らむのがいい。後に大坂に集結することになる人物たちとの関わりも読んでいて楽しい。
読了日:9月18日 著者:仁木英之

大坂将星伝(上) (星海社FICTIONS)

大坂将星伝(上) (星海社FICTIONS)

クサヨミ (21世紀空想科学小説 3)

さわやかなファンタジー。秘密の感応力とか秘密の組織とか学校の中の秘密の部屋とかこういうの大好き。作中に出て来た仮説が本当だったら、植物は何を考えていて、その不思議な力で人間を、世界をどうしたいんだろうと考えてしまった。
読了日:9月16日 著者:藤田雅矢

クサヨミ (21世紀空想科学小説 3)

クサヨミ (21世紀空想科学小説 3)

小惑星2162DSの謎 (21世紀空想科学小説 4)

滅法面白かった。非常識な存在・意外な事実・どんでん返しと、科学と小説の面白さが息つく間もなく押し寄せる、これぞハードSF、という感じ。ちょっと教育的な文章もあって説教臭さも感じるが、子供らはどう受け止めるだろうか。宇宙とか小惑星探査とかが好きな大人もきっと楽しめると思う。
読了日:9月16日 著者:林譲治

小惑星2162DSの謎 (21世紀空想科学小説 4)

小惑星2162DSの謎 (21世紀空想科学小説 4)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

9月11日に図らずも「ロワーサイドの幽霊たち」を読んでいた。世界貿易センタービルの過去とあの日と未来の話。書き下ろしの「北東京の子供たち」のラストで泣く。前作『盤上の夜』もそうだったけど頭の中にいろんなものが噴出しまくりすぎていろいろ語りたいのに何をどう語ったらいいのかが判らなくて混乱する。
1,000,000人の少女と童夢高島平団地て人が大勢暮らしてる筈なのに外から見るとなんで人間臭が全然ないんだろう。
読了日:9月16日 著者:宮内悠介

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

たいようのいえ(9)特装版 (プレミアムKC)

一緒に暮らしてる幼なじみで昔から好きな女の子が自分の前の席で自分がいない隙に自分の兄にキスされた話を恥ずかしそうに友達に告ってるのを聴かされるってどんな拷問ですか。「あー殺したい」早まるな大樹、しかし次巻からはいよいよ攻めに転じるのか。がんばって欲しい。付録の小冊子に収録された漫画で、いろんな思い出の詰まった個人的に大事な品物をあっさり捨てられた場面とか涙なくして読めない。
読了日:9月15日 著者:タアモ

小説 ちはやふる 中学生編(3) (KCデラックス)

詩暢ちゃんにこういう判りやすい話を期待していない自分を発見した。本編ではその詩暢ちゃんとハルカさんが対戦することになる訳だが、この話を思い浮かべながら読んだらものすごい感慨深いかも。太一が都立校に鞍替えした理由の発端はたったあれだけのことだったのか、とちと残念に思った。もっとドラマがあるんじゃないかと期待していた。前カノとも割といい感じのお付き合いだったようで、本編で見てたのと違和感あるし。12月13日発売の第4巻で彼女との別れの裏側も描かれるそうで、違和感あるしと言いながらけっこう楽しみだったりする。かなちゃんとちはや陸上部の話も収録だって!
読了日:9月15日 著者:時海結以末次由紀

ちはやふる(22) (Be・Loveコミックス)

1巻かけて一試合が終わらないという濃密な展開でお前はドカベンかと思いました。BE・LOVEで続きは既に読んでいる。この後描かれるだろう名人戦、クイーン戦、ともにどうなっちゃうんだろうと気になって仕方がない。
読了日:9月15日 著者:末次由紀

ちはやふる(22) (BE LOVE KC)

ちはやふる(22) (BE LOVE KC)

いつかかえるになる日まで

栗本薫の遺稿から発見された童話。1988年に我が子のために書いたものらしい。慈愛の眼差しとそれ以上に充溢する死のイメージについて、作者が逝ってしまった今読んだからこそ心打たれるものがある。途中で泣いてしまった。
読了日:9月12日 著者:栗本薫

いつかかえるになる日まで

いつかかえるになる日まで

あまちゃんファンブック おら、「あまちゃん」が大好きだ!

今日のサッカー代表戦は見ようと思っていたのに、ようやく買えたこの本を読むのにかまけてすっかり忘れた。
読了日:9月10日 著者:

SF宝石

バラエティに富んだ新作SFアンソロジー。『SF宝石』というタイトルは古いファンには懐かしいのかも。前書きや編集後記がないのは寂しい。どのような経緯でこの本が刊行されるに到ったか、くらい説明があってもいいのでは。作品だけ丸投げにされたような唐突さを感じる。新井素子さんの「ゲーム」は現代に書かれた旧約聖書外典だと思った。円城塔「イグノラムス・イグノラビムス」、上田早夕里「上海フランス租界祁斉路三二〇号」、樋口明雄「遺され島」、福田和代「レテの水」が好み。小川一水の町立探偵〈竿竹室士〉はシリーズ化希望。
読了日:9月8日 編者:小説宝石編集部

SF宝石

SF宝石

忘れられない一冊 (朝日文庫)

82名の著名人が「忘れられない一冊」を語る本についてのエッセイ集。各々2ページと短いから取っつきやすいし軽く読めるがいろんなものが詰まっていて内容は深い。新井素子さんの反則技にはやられたという感じ。芳賀徹の「私のマドレーヌ 二人きりの読書会で」にぐっときた。森達也の「彼女の短いメッセージ 別れ際に……」、どんな気持ちで……と考えたら泣けて仕方がなかった。島田裕巳の「机竜之介と歩く 職を失って」で『大菩薩峠』が読みたくなった。
読了日:9月7日 編者:週刊朝日編集部

忘れられない一冊 (朝日文庫)

忘れられない一冊 (朝日文庫)

図書館戦争 LOVE&WAR(12) (花とゆめCOMICS)

話はいよいよ『図書館革命』へ。バカップルぶりを画で見せられると微笑ましくて大変よろしいですな。手塚はどう見てもお姫さまなので王子さまのキッスで目が覚めたか。
読了日:9月5日 著者:弓きいろ・有川浩

図書館戦争 LOVE&WAR 12 (花とゆめCOMICS)

図書館戦争 LOVE&WAR 12 (花とゆめCOMICS)

クロス・マネジ(4) (ジャンプコミックス)

和峯さんの圧倒的な存在感がやばい。それなのに途中と巻末の四コマでのすっとぼけ具合がたまらん。いよいよ次は最終巻か……。発売は11月でございます。
読了日:9月5日 著者:KAITO

クロス・マネジ 4 (ジャンプコミックス)

クロス・マネジ 4 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー(2) (ジャンプコミックス)

2巻の入荷数は1巻の4倍増くらいだった。よしよし。1巻の時も思ったけどまとめて読むと面白さ倍増するね。ジャンプでの連載にしては話の進行が緩やかなような気もするけど丹念に描かれているのは良い。実力派エリートかっこいい。
読了日:9月5日 著者:葦原大介

くりちゃんのふしぎながっき

かわいい。とにかくかわいい。かわいさ大爆発。どうしてくれようって感じ。『銀曜日のおとぎばなし』などの作品で有名な漫画家、萩岩睦美さんの絵本デビュー作であります。これ甥っ子に見せたら喜びそうだな。かわいい。
読了日:9月2日 著者:はぎいわむつみ

くりちゃんのふしぎながっき

くりちゃんのふしぎながっき

傷だらけの店長: 街の本屋24時 (新潮文庫)

本が好きで書店員になった著者が書店で働くことに疲れ果て書店員を辞めるまでを赤裸々に綴ったエッセイ集。この文庫版には書き下ろしでその後のことを書いた一編が追加収録されている。帯には「日本中の本屋さんが共感!」と書いてあるけども、判る部分も判らない部分もあった。俺は気楽なパートさんで店長まで務めた著者とは全く立場は違うので判るとか判らないとか偉そうに言うのは僭越ですね。理想を挙げればきりがないし所詮できることしかできないし。そのギリギリの線の処でみんな踏ん張っている訳だけれども、家電量販店で働いて踏ん張りきれず精神を病んだ自分自身の姿が重なって見えて辛かった部分もあった。自分のやっていることに疑問を感じながらだと仕事って長続きしない。たぶん。 書店で働くことの目的意識は個人的に常に考えていたつもりだったけど、改めて「どういうことなんだろう」と疑問を突きつけられたような感じ。
読了日:9月2日 著者:伊達雅彦

傷だらけの店長: 街の本屋24時 (新潮文庫)

傷だらけの店長: 街の本屋24時 (新潮文庫)

ドキュメント電王戦: その時、人は何を考えたのか

TLで見てた人がいたから将棋の電王戦のことは知ってたけどあんまり関心は持ってなかった。この本は、夢枕獏、宮内悠介、柴田ヨクサル、など気になる人が登場しているので読んでみた。史上初めて行われたプロ棋士vsコンピュータ将棋ソフトの5対5団体戦に参加した、棋士、ソフトウェア開発者、大盤解説担当者、など第2回電王戦に関わった人たちの言葉から、あのイベントが行われた意味と意義を探っている。人間としてプロとして重圧のかかる舞台に敢えて打って出たプロ棋士たちの勝負へのこだわりと将棋ソフトへの視点、ツールとしての最先端に挑む開発者たちの目線、それをとりまく状況など、電王戦は見てないのにものすごく刺激的な内容で興奮を覚えた。プロレスやそこで行われる団体抗争が好きな質だったからかも知れないし、『盤上の夜』を読んだ後だったからかも知れないし、絶望的な戦いの渦中にあるサッカークラブを応援している身であるからかも知れないし、単にSF好きだからなんではないか、という気もする。プロレス・格闘技と電王戦が交錯する川上量生ドワンゴ会長のインタビューが滅法面白かった。個人的には「人間vsコンピュータ」とか「コンピュータは人間を越えるか」とかいうアングルには承服しかねるものがあるんだが、そういう状況を作ることで見えてくるものもかなりあるとはこの本を読んで凄まじく感じたものである。面白かった。第3回電王戦が来年開催されことが決定したそうなので、ちょっと見てみたいなと思っている。
読了日:9月1日 著者:夢枕獏海堂尊貴志祐介・他