「クロスワードハウス」9月号。

コンビニにて購入。廣済堂出版から出る新井素子の新刊エッセイ集について何か情報があるかと期待したが何もなし。ちょっとがっかり。今月の筈なのになあ。
新井素子の連載エッセイ「今日もいい天気」は第4回。家族の呼び名について一家言ある子供の頑固さと大人の戸惑いについて。小さい子供がこのような認識を示すというのは俺も経験がある。甥っ子が小さかった時のこと。うちの母が泣いている彼を宥めようと「お母さんを呼んでくるから、泣いちゃダメよ」と言うと、彼は更に大きな声で泣き出し、「お母さんって呼んじゃダメ〜〜〜〜!」と怒るのである。”「お母さん」とはあくまでも自分のお母さんであって、ばぁばのお母さんじゃないから「お母さん」と呼んでいいのは自分だけ”、という主張だったらしい。それはもっともだと思ったものである。「父」が「祖父」だったり「妹」が「母」だったり、家族の呼び名は関係性によっていろいろ変わるものだが、自分のことを顧みると特に意識することなく自然と使い分けているように思う。6歳になった甥はすでに自分の「お父さん」が俺の「弟」であることは理解できているようである。
そう言えば、甥っ子は物心ついた頃から妹(おば)の旦那(おじ)のことを何故か「えび」と呼んでいたのだが、その理由が酒を飲むと顔が赤くなるからだというのがついこの間判明した。子供は子供なりにちゃんと理由のある行動をしているのである。面白い。