名前の大きさ。

本屋で改めて西澤保彦『方舟は冬の国へ』の表紙を見た。そこで奇妙な感慨を抱いたのである。この本の帯に新井素子さんが推薦文を書いていることは以前の日記にも書いた通りである。で、帯にプリントされた「新井素子」の文字と表紙の「西澤保彦」の文字では、どう見ても「新井素子」の文字の方がはっきりくっきり大きいのである。知らない人が見たら新井素子さんの新刊が出たかと勘違いするんじゃないかってくらい。純粋にデザイン上の都合なのか、それとも出版者側の営業政策なのかはよく判らない。
夢枕獏の『仰天・文壇和歌集』には、文芸雑誌の目次における各作家の名前の大きさの違いにさえ気を配る編集者をお題にした歌がある*1くらいで、こういう微妙なバランスで人間関係がまずくなったりはしないのだろうかと素人としては心配してしまったのだった。
気にする人は気にするし、気にしない人は全然気にしないってな類の些細なことである。我ながら余計なお世話だ。

*1:フィクションかも知れない