Jリーグ2ndステージ第14節、対ガンバ大阪戦。
やってきましたホーム最終戦。山本昌邦監督のホーム初登場でもある。
試合前
練習でスタメン組に西紀寛が入っているのを発見。復活していきなりのスタメン起用にたいそう驚く。大胆だな山本監督。しかしそれなら太田はベンチかとちょっとがっかりしてピッチを見渡せば、なんと太田もスタメン組である。メンバーを確認すると、MFは藤田、太田、西、福西、名波の5人。一瞬にして頭の中に、
グラウ 前田 西 藤田 太田 名波 福西 服部 田中 鈴木 岩丸
という布陣が組み上がる。このメンバーならこれしかないでしょ。今までの若手を無理に組み込んだ形のフォーメーションは、まあ選手層の底上げのためには仕方がないのかなあと無理矢理自分を納得させていたのである。その気持ちが吹っ飛ぶ程、バラバラだったジグソーパズルがピッタリはまったように見事にバランスのとれた構成となる。こういうのを待ってたんですよ。
西は長期欠場の後だけに試合勘やコンディションがどこまで戻っているかが心配だけれど、現在考え得るベストメンバーである。期待は一気に高まる。2位相手でも、ひょっとしてひょっとするかも。
今日の控えGKはU-19日本代表の松井ではなく高原である。この高原も足の怪我で長期離脱していたのだ。ようやくベンチ入りにこぎ着けたな。復活は素直にうれしい。他のメンバーでは、西の復帰の余波で河村がベンチへ。さらにその余波でFWの西野がベンチからも外れた。川口がFW登録でベンチ入りしたが、使うとすればサイドしかないので実質控えFWがいない。もしかして、いざとなったらまた福西をFWに上げるつもりかと軽い戦慄が走る。FW福西を戦術に織り込み済みというのは2000年のリベロ福西の時と同じように楽しみでもあるし不安も大きいのである。
ゴール裏では前田遼一の新しいコールが登場。ビートルズの「A Hard Day's Night」のメロディに乗せて名前をコールする。念仏みたいでちょっと冗長かなと思わんでもないがまあまあいいんじゃなかろうか。中山隊長の「Yellow Submarine」に続きジュビロのFWはビートルズ・ナンバーである。
試合中
中盤の布陣は試合前に予想した通り。前半はガンバをほぼ圧倒する。前線ではいつにも増して前田にボールが収まり、藤田が2トップと絡んでゴール前に積極的に飛び出す。西は相変わらず根無し草で好きに動いている感じ。左サイドががら空きになることが多いが要所は締める。ただ、やはり動きは重く運動量も少ない。全体的には動き出しもよくパスも繋がりミスも少ない。人もボールもよく動く見ていてとても楽しいサッカーである。しかし好機は作るが得点には結びつかない。期待以上の展開で、前半終了のホイッスルとともに素直に拍手を送ることができた。ゴールポストにはじかれたグラウのヘディングシュートは惜しかったな。
後半も主導権はジュビロが握っていたが、中盤を省略したカウンターの掛け合いのような展開となる。そして、左サイドから崩され2失点。ゴールに近い位置で相手にボールが入った時、誰もチェックに行かないままラインが一気に下がってしまうのは気になる。負け続けて弱気になっているせいだろうか。結果的に相手に蹂躙されゴール前に脅威を呼び込んでいるような気がする。失点後に西に替えて川口を投入、2点を追いかけて前田に替えて河村を投入しFW福西を発動させ、名波に替えて成岡を投入して攻撃の人数を増やすと攻めに攻めたが、なかなかゴールは割れない。グラウが自分で切れ込んで右サイドの角度のない位置から素晴らしいゴールを奪ったものの、得点は結局その1点のみで、1-2で敗戦、ホーム最終戦を白星で飾ることは出来ず。残念。福西のヘディングがクロスバーを直撃したり、太田のシュートが松代のファインセーブに会ったり、惜しいシュートもあったことはあった。問題は決定力である。先制していたら判らなかったかもと終わってからは思うものの、少ないチャンスをものにしたガンバと、決めるべきところで決められないジュビロ。2位と12位の力の差が如実に表れている。
ただ、最後まで集中力を切らさずに攻め続けたジュビロの選手たちの姿勢は素晴らしかった。負けたけど、あえていい試合だった、と言っておきたい。