『S-Fマガジン』2005年8月号。
タカノ綾の連載「飛ばされていく その先」第20回は『チグリスとユーフラテス』の巻。テーマとして取り上げた小説と自身の関わり方やそれを読んで受け取った印象が独特のイラストと断片的な言葉たちで描かれる。その曰く言いがたい雰囲気と真摯な物言いに毎回感心して読んでいるのであるが、今回も『チグリスとユーフラテス』についてこちらの心にじわっと染み通るようなことを書いている。一ページ目のわにのぬいぐるみを抱えた老少女は、俺が今まで抱いていたイメージ(大友克洋の『AKIRA』に出てくる老けた子供のようなグロテスクなイメージ)を覆す可愛らしさに衝撃を受けた。
ラストシーン、「火の鳥」望郷篇みたい。(大好きなの)
あ〜、言われてみればそうかも知れんね。こういう自分にとって新鮮な知見を得ることができるのは嬉しい。ちなみに角川文庫版の『火の鳥』望郷編には奇遇にも新井素子さんの解説が収録されているのであった。