奈波はるか。

某巨大掲示板のコバルトスレで奈波はるかという作家の話題がちらっと出ていた。この人の小説は一度も読んだことがない。人となりもよく知らず、静岡新聞に掲載されたインタビュー記事から、彼女が高校の先輩に当たるということを覚えていた程度である。しかしスレに書き込まれた断片的な学歴が何故か記憶の片隅をちょっとつつく。気になってネットで調べてみたら、俺が高校在学時に在籍していた英語の先生だということが判った。うろ覚えの本名が検索に引っかかったのである。
とは言っても、授業を一回も受けたことがないし、部活その他でも関わりはなかったので、実は本人の顔もよく思い出せない。ただ印象に残っていることが二つある。教師を辞めて関西にある国立大の大学院に進学するという転身の見事さに単純にすげーなーと感心したことと、自由学習の時間に直接耳にした”学生に交じって入試を受けた際、自分の知識をテスト用紙に叩きつけるのがすごく気持ちがよかった”(細部は忘れた)という談話に、あ〜俺もそういう時ってあるなあと共感したことである。その人が今では作家を生業としているってのは新鮮な驚きであった。人生色々だ。
20年くらい前のことなのに、我ながらよくこんな些細なことを覚えていたものだ。当時は感動していたのかも知れない。どんな小説を書いているか興味はないので著書を読もうとまでは思わないけど、たまには埋もれていた記憶を虫干しするのも悪くはない、と思った。