竹宮惠子『完全版★私を月まで連れてって!』第5巻。

新井素子掲示板にて、この本の帯に新井素子さんの推薦文が掲載されていると教えて頂いたので買ってきた。『私を月まで連れてって!』は今まで何度も単行本化されているが、今回はカラーページを再現した完全版としての刊行である。最近この手の企画は増えているが、ファンとしては素直に嬉しいものである。
書店で手に取ってみると、いきなり「SF」という文字が見えたので少しドキドキした。それどころか裏表紙側には『空想科学小説』『サイエンス・フィクション』とも書いてある。内容は古き良きSF漫画であるからこれは正統な論評であると思いながらも、”帯に「SF」と書くと売れない”とSF専門誌や書評誌などに散々書いてあった記憶は今でも鮮明に残っているので軽く驚いてしまうのである。新井素子さん自身の話でも『チグリスとユーフラテス』を出版する際に、「SF」の文字が入ると初版部数は1割減ると出版社から言われた、とのコメントがあった。それからまだ十年は経っていないから、SFに対する業界の風向きが変わったのか、それともそもそも固定ファンをねらい撃ちする企画だから却ってこの方が購買者の心を掴みやすいのか、その辺りの理由はよく判らない。何にしろ個人的にはうれしい。
本屋には11月末刊行の5巻と6巻しか置いてなかったので2冊を購入した。この完全版は全6巻で、各巻に下記の人々が推薦文を寄せている。

6巻だけは推薦文ではなく、メモリアルディスクCD-ROM応募者全員プレゼントの応募用紙が付いている。
1〜4巻までを買い揃えるかどうかが悩ましい処である。もともと金がない上に、12月には散財する予定があるのである。どうしようか。とりあえず、新井素子研究会には情報は掲載済み。(【素研】:『完全版★私を月まで連れてって! 第5巻』)