年賀状。

うちの父親は年賀状を書かない人間である。どれくらいの間書いていないのかを晩酌のついでに聞いてみたら、ワープロで作ったものが来るようになってから、と答えた。ということは今から15年くらい前からだろうか。お手軽に作られたという印象が強くて気に入らないので返事を書く気がしないらしい。俺が覚えている限りではそのずっと前から年賀状を書いている父親の姿を見たことがないから、それは単に理由をこじつけただけなのではないかという気もする。今年も父が年賀状を書く気はほぼないように見受けられる。それでも毎年数十通は送られてくるのだから、送る方も義理堅い。人徳もあるのだろうか。
俺も年賀状を書かない人間である。小学生の頃などはウキウキしながら書いていた覚えがあるが、中学生くらいだったか、面倒くさくなってこちらから送るのを全て止めた。それが習慣化してずっと続いており、少数の例外を除けば基本的に受け取った分の返事しか書かなくなった。こちらに戻ってきて電器店に勤めていた間などは、年賀状を書いている暇も気力も体力もなかったから、東京から年賀状を送ってくれていた知人たちにも返事を出す余裕が無く、そのうちに連絡が途絶えてしまったのは少し寂しかった。
今年も届いた分に返事を出すつもりである。デザインのセンスは元々ないのでたいしたものはできないのだ*1。友人たちは俺から届いたらそれだけで僥倖だと思ってもらえれば幸いである。態度がでかくてすまん。

*1:昨年頂いた中に一通、文面がシンプルにして奇抜、そして洗練されているというデザインのものがあり、度肝を抜かれた。今まで貰った年賀状の中で一番綺麗だと思った。