半村良『亜空間要塞の逆襲』。
読了。古本屋で買った本である。前作『亜空間要塞』の内容を実際に体験したとする人物たちが作者の処を訪れた処から始まる続編。作者の過去や心の内を探る描写が多く*1、私小説ならぬ私SFか、などと思っていると、ヴォネガット、J・G、N・W体制、ノヤマなどの単語が出てきて*2、ははあこれは当時SF界を席巻しつつあったニューウェーブの手法を象っているのだなと見当が付いた。で、そのように振る舞って見せた上で最後はニューウェーブへの訣別宣言をして終わるという、なかなか時代を感じさせるお話だった。細部ばかりが気になって物語としてはあまり楽しむことができなかったのは俺のいつもの悪い癖である。
次は半村良から離れて『地球人のお荷物』を読み、その後に『邪神世界』を読んでみようと思う。