Wikipedia:新井素子。

Wikipediaの「新井素子」の項目が大幅に改訂されているのを今日知った。

以前と比べて随分スッキリした。俺の個人的意見を記した部分は、自分が書いておいてこういうことを言うのもあれだが、事典的な記述としては随分いびつだと思っていたので、務めて客観的な記述に改められているのはいいんじゃないかと思う。
他に気付いた点など挙げてみる。

1981年に『奇想天外』が休刊になり活動の場を集英社文庫コバルト文庫などのジュニア小説へ移行させた。

正確に言うとこれは誤りで、新井素子さんがコバルト文庫に登場したのは『奇想天外』が休刊する前の1980年だし、休刊以後もコバルト文庫作品と平行して他の出版社から「ジュニア小説」でない作品を出版しているので*1、「ジュニア小説へ移行させた」というのは言い方としておかしいと思う。「ジュニア小説へも広げていった」と言う方が的確なのではないか。

日本語の貧弱化のきっかけになったと批判されてもいる。

誰によって批判されたのか、という記述は相変わらずない。

彼女の作品は新しい世代の言語感覚による「文章で書いた漫画」であると指摘されており

誰が指摘したのか、という記述は相変わらずない。

そして文体は当初ほど過激でない一般的なものに近づいている。

この記述は客観性を欠く。「過激」と捉えた誰か、「一般的」と捉えた誰か、「近づいている」と捉えた誰かの存在が前提となっている。また決して「近づいて」はいないだろうというのが俺の主観的な判断である。この部分だけは納得が行かない。