将来の夢は?

パステルクラブ』1989年春季号に掲載された新井素子さんと土屋裕氏の対談「NERIMA井戸端コネクション出張版』(『ネリマ 大好き』所収)の中に次のような件がある。

土屋 (略)以前、子供のころ作家かマンガ家になりたかったっていってたけど、ほかには何も考えてなかった?
新井 わたし、子供のころから「将来結婚して素敵なお嫁さんになりたい」とか「燃えるような恋をして」云々なんて全然考えてないタイプだったんだよね。
土屋 小説読んで憧れたりしなかった?
新井 恋愛小説って、読んだことがない。
土屋 いや、真っ正面からの恋愛小説じゃなくても、例えば『赤毛のアン』にだって恋愛の要素はあるわけでしょう?
新井 『赤毛のアン』は読んだけど、女の子の生活をただ淡々と描いて行くだけってあんまり趣味にあわなかった。わたしだったら何か事件を起こすのに。

これを読むと、毎日新聞1978年1月22日朝刊の記事に書いてあった次の文章、

新井さん、大和さんの将来の希望はお嫁サン。なんとも健康な文学少女ではないか。

というのがますます信用できなくなってくる。ついでに言えばこの頃の新井素子さんはまだ現実の人間の男性に興味がなかった、とも仰っている*1。『ルパン三世』のことといい、どうもこの記事の信頼性は低いのではなかろうか。(関連記事:id:akapon:20051121#p1)

*1:平井和正の「ウルフガイ」シリーズの主人公、犬神明に恋していたのだった。