2014年10月の読書記録

読んだ本の数:17冊

廃線上のアリス (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

「青春だね」と言いたくなるほろ苦さと甘酸っぱさの感じられるいいラストシーンだった。「理性が感情をおさえられなくなったら、その時は感情に従いなさい」という格言もあるし、思いに任せて突き進むが吉なのだ、きっと。
『スノーグース』と『月と六ペンス』を読んでからもういっぺん読んでみようと思っている。
読了日:10月31日 著者:マサト真希

ドミトリーともきんす

不思議な学生寮「ともきんす」の二階には朝永振一郎牧野富太郎中谷宇吉郎湯川秀樹という四人の学生さんが住んでいる。彼らの人物像やその業績を寮母さんとその小さな娘さんとの交流する姿で表現しつつ彼らの著作が紹介される。なんとも不思議な味わい。そして紹介された本が読みたくなる。
読了日:10月28日 著者:高野文子

ドミトリーともきんす

ドミトリーともきんす

ドリフターズ (4) (ヤングキングコミックス)

人間のモラルとかルールとかの小賢しさをものともしない身も蓋もなさが相変わらず痛快である。ライバル関係にある二人が敵味方で登場するのは初であるか? 三百年の時を隔てたライバル関係が直接相打つ展開は痺れた。
読了日:10月27日 著者:平野耕太

ハルロック (2) (モーニングKC)

相変わらず面白い。メェメェ鳴きながら近づいてくる集団が怖すぎて笑える。
読了日:10月27日 著者:西餅

ハルロック(2) (モーニング KC)

ハルロック(2) (モーニング KC)

関連して『日経Linux』2014年11月号も注目なのだった。
日経 Linux (リナックス) 2014年 11月号

日経 Linux (リナックス) 2014年 11月号

ねこのこはな (2) (モーニングKC)

相変わらずこはなが破滅的にかわいいのでみんな読むといいのだ。めざせ星雲賞
「金長まんじゅう」は阿波銘菓だって。あっちゃんの実家は徳島なのか。
(関連リンク→『ねこのこはな』のサブタイトルの元となったSF小説。
読了日:10月26日 著者:藤沢カミヤ

ねこのこはな(2) (モーニング KC)

ねこのこはな(2) (モーニング KC)

GIANT KILLING (33) (モーニングKC)

この試合にはプロサッカーの怖さ、絶望、希望、ダイナミズム、意外性、愉悦、歓喜、など全ての醍醐味が詰まっている。28巻ぐらいからずっと続く高揚感が最高潮に達した感がありつつ、しかしまだまだこの先があるのだった。彼らは高みに届くのか。届くために何をするのか。目が離せない。
読了日:10月26日 著者:ツジトモ

GIANT KILLING(33) (モーニング KC)

GIANT KILLING(33) (モーニング KC)

銀婚式物語 (中公文庫)

再読、てか再再読、かな? 神の視点ではなく登場人物である陽子さんに寄り添って読んでみたが泣いて笑ってとても楽しい時間を過ごすことができた。陽子さんの粗忽ぶりが、年上の人に言うのも失礼だが、可愛らしくて仕方がない。え、なんでそういう方向へ行っちゃうかな!? と度々突っ込みたくなる。で、文庫版あとがきを読んでびっくりですよ。あとがきが、という話はツイートで教えて頂いたり目にしてたりしてたんだが、そうですか、もちろん熱烈に待ちますよ! でも最初に上がってるタイトルの方は自分もいずれそういう立場になるのが判っているだけにちょっと読むの怖いような。
そう言えば『イン・ザ・ヘブン』もそうだったけど、あとがきを「書き下ろしエッセイ」と呼ぶ風潮ができつつありますか。販売施策としての付加価値アピールなのかな? 心情的にはあくまでも「あとがき」とは作品に付随するものであって、エッセイと言われてもピンと来ない。そのままの言葉は使えないのだろうか。それで買ってくれる人が一人でも増えるなら文言は別にどうでもいい、とは思うが、エッセイが収録されてるのか、と期待して読んでみたらあとがきだった、というがっかり感はちょっと怖い。まあ、ファンにとっては新しいあとがきが付いてると言った方がうれしいよね、と思ってブログなどにもそう書いている。
読了日:10月26日 著者:新井素子

銀婚式物語 (中公文庫)

銀婚式物語 (中公文庫)

本陣殺人事件 (角川文庫)

金田一耕助ファイル〉シリーズ第2巻。金田一耕助が初登場する「本陣殺人事件」の他、「車井戸はなぜ軋る」、「黒猫亭事件」の3編を収録。テレビドラマ版よりミステリ色が濃い。ミステリは苦手だが楽しく読めたのは金田一耕助という人物に興味が湧いたためだと思われるので他の作品も読んでみたい。
ルパン三世の内股に偶然にもほくろがあったら五エ門はどうしたんだろうか、と「車井戸はなぜ軋る」を読んだ後思った。あんまり関係ない。)
読了日:10月20日 著者:横溝正史

本陣殺人事件 (角川文庫)

本陣殺人事件 (角川文庫)

静岡放送テレビ番組制作の舞台裏 (このプロジェクトを追え!シリーズ)

「このプロジェクトを追え!」は、小学校高学年以上向けのノンフィクションシリーズ。これまでサンシャイン水族館、成田空港、日本気象協会などを取り上げてきたが、第8弾となる本書では静岡県の放送局「静岡放送(SBS)」の番組制作の舞台裏に焦点を当て、現場のスタッフに取材を行った。登場するのは、プロデューサー、ディレクター、キャスター、社会部記者、カメラマン、スポーツ担当ディレクター、ラジオ局編成制作部部長の7名。その仕事内容と各人の仕事への取組み方を筆者が聞き率直な感想を記している。子ども向けの本なので読みやすい上、番組がどのように作られているのかなど初めて知ることばかりで、とても面白かった。鈴木通代アナて今ラジオ局編成制作部部長なのな。入社ほやほやでSBS歌謡ベストテンに出てた印象が強すぎて自分の中でものすごいギャップ。
サッカー好きの人は第6章の”大編成のスタッフで「Jリーグ」開幕戦を生中継!”をぜひ読んで欲しい。今年のジュビロ磐田のホーム開幕戦中継の様子が描かれている。担当ディレクター氏は昨年11月10日のサガン鳥栖vsジュビロ磐田戦、磐田のJ2降格が決定してしまったあの試合にもニュース映像の撮影のため現地に行っていたそうで、何をどう撮るかの話が実に興味深かった。この日も磐田は負けてしまい、それがこの本に記録されることとなったのは残念である。
興味のある向きは児童書コーナーへどうぞ。
読了日:10月18日 著者:深光富士男

ちはやふる (26) (BELOVE KC)

太一の復活を待つ。
読了日:10月13日 著者:末次由紀

ちはやふる(26) (BE LOVE KC)

ちはやふる(26) (BE LOVE KC)

突変 (徳間文庫)

面白かった。本編725ページと文庫としては超ぶ厚いが読み出すとなかなか途中でやめられなくなって困る程。特異な災害に巻き込まれた町を描いたSFで、巧みな人物描写と緻密な設定に乗せられてこの先どうなっちゃうのとハラハラしながら読み進むと終わりの方でちょっとホロッとする、という。これはおすすめだなあ。解説で大森望がべた褒めしてるけど同感だ。何の予備知識がなくても話にするっと入っていけるし読みやすいんで途中から本の厚さなんて全然気にならなくなるし。来年のSSTまで覚えとく。
この話だけでも充分楽しんだし満足したけれども、この続きでもう一冊くらいあってもバチは当たらないと思う。
読了日:10月9日 著者:森岡浩之

突変 (徳間文庫)

突変 (徳間文庫)

門島 (角川文庫)

新井素子書店で購入した新井素子さん推薦図書。映画版は見たことがありストーリーを知っていたので素直に楽しめるだろうかと少し警戒していたが、細部が異なっているという驚きもあって、語り聞かせるような軽快な文章にのせられて次々にページを捲ってしまった。面白かった。犯人の妄念が恐ろしい。
金田一さんは思い込み激しすぎで常に後手後手に回る。犯行を防ぐ、というだけなら色々手は打てたんじゃないかと思うんだが、ずぶずぶと泥沼に嵌り込んでいく様は、実は何か起こるのを期待しているんではないか、犯罪に魅せられているんではないか、というような不健全さを感じてしまった。隔絶された孤島、排他的な共同体、入り組んだ人間関係、狭間から噴出する狂気、これらを背景に展開する血なまぐさい事件を読み解く人物としてはまさにうってつけだよな、金田一さんて。映画版で常に傍観者ぽいけど、こっちではずっと懊悩していて人間臭いのもいい。
読んでいるとやたら前作『本陣殺人事件』の話題が出て来るのでそちらも無性に気になるのだった。帰りに買おうと思ったら在庫なし。注文せずばなるまい。横溝正史で他に読んだことがあるのは『八つ墓村』と『犬神家の一族』だけ。〈金田一耕助ファイル〉シリーズ、読みたくなるねえ。
(そう言えば新井素子さんの旦那さんは岡山出身で、そのご両親は津山の方の出身、なんだっけ? こういう繋がりもあるんだったよな。すぐ忘れるけど。因みに、『獄門島』は週刊文春の「東西ミステリーベスト100」で1985年の時も2012年の時も連続して1位に選ばれているらしい。→Wikipedia|東西ミステリーベスト100
読了日:10月6日 著者:横溝正史

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)

正確な知識を得ようとすることは大事。しかし正しさを人に押し付けないことも大事。相手を無理なく納得させることの難しさを痛感。科学的には必要のない機械、と判っていながらベビースキャンを稼働させるなどの思い切った取り組みはそのために必要なんだとか。
P.150-151にこうある。

端的に言えば、自分が研究したり、発言したりする分野において、過去に何が起きて、いまどこまでがわかっていて、どこからがわかってないかというようなことは、勉強しなくちゃいけない。それは必須です。

これは常に意識しなくちゃいけない。
この本いいこと書いてあるし読みやすいから中学生とか高校生とか大学生とか学生さんたちに読んでもらいたいな。もちろん放射能に対して不安を抱える大人にも。
読了日:10月5日 著者:早野龍五,糸井重里

知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)

五時間目の戦争 (1) (カドカワコミックスA)

ノーチェックだったんだがちらっと読んで衝撃を受けたんで思わず買った。辛い。もう嫌な予感しかしなくて先を読むのが辛い。ここに描かれているのは一体どういう状況なのか。そして彼ら彼女らはこの先どうなっていくのか。続きを期待。作者は『おおかみこどもの雨と雪』のコミカライズを担当した人。
島から見ると四国が本土なのか。そして道後温泉が……。
読了日:10月3日 著者:優

雄飛 (1) (ビッグコミックス)

小山ゆうの待望の新作。日本の敗戦から戦後を舞台に過酷な宿命を自ら背負った一人の若者と一人の少女の生き様を描く。スペリオールでの連載で読んではいたが、まとめて読むと胸がつぶれる思いがする。彼らの辿り着く先は、果たして。
読了日:10月1日 著者:小山ゆう

雄飛 ゆうひ 1 (1) (ビッグコミックス)

雄飛 ゆうひ 1 (1) (ビッグコミックス)

子供はわかってあげない (上・下) (モーニングKC)

モーニングで連載中から好きだったがまとめて読むと伏線に気付いたりしてもっと楽しめた。あー青臭い甘酸っぱいだがそこがいい。登場人物たちの造形とか会話とか話とかページの進行とかがとても快いのでみんな読むべき。言葉のチョイスがいちいちいいのよな。絵も好き。とりあえず店頭で売らんとしてみる。
読了日:10月1日 著者:田島列島