福田政雄『殿がくる!〜ニッポン最後の日!?〜』。

読了。購入本。スーパーダッシュ小説新人賞の入選作『殿がくる!』の第三作にして完結編である。細かい部分では引っかかる処はあるが、フィクションをネタに現実の政治について語っちゃうような不毛な読み方さえしなければ最後までドキドキハラハラしながら物語のうねりに身を任せることができるだろう。相変わらず面白い。何より活き活きとした登場人物たちにまた会うことのできた喜びは格別であった。こんなに疾走感とパワーのある物語を久しぶりに読んだ気がする。この話が読めただけでもスーパーダッシュ小説新人賞をやった価値はあった、と個人的には断言したい。青臭い理想論、単純な教養小説、強引な物語展開、形通りのハッピーエンド、大いに結構。俺はこの話が大好きだ。