石川雅之『もやしもん』第2巻。

新井素子さんが「読書の缶詰」で紹介していた漫画の第2巻である。ちょうど新刊として発売されたので読んでみた。春祭のエピソードが実に面白い。閉鎖された空間でのお祭り騒ぎというのは学祭の醍醐味であると思うのだが、自給自足できるという農業大学の強みが更に話を盛り上げている。こんなこと俺もやってみたかったよ。
酒好きにとっては日本酒の話題がよく出てくるのも嬉しい処だ。それが美味い酒ならなおのことである。この巻では和歌山の「龍神丸」という銘柄が登場する。登場人物たちが発する台詞を読むだけでよだれが出そう。ネットで検索すると蔵元のサイトが見つかった。

トップページには『もやしもん』の話題も書いてある。漫画が縁で「もやしもん」オリジナル清酒かもすぞ」という銘柄を販売していたらしい。講談社公認、作者である石川雅之がラベルをデザインした純米吟醸生酒である。既に完売してしまったとのこと。単行本になってから読むとこういう話題に乗り遅れるのであるな。残念。
この第2巻は造本が凝っていて、シールが付いていたりカバーを取ると表紙と裏表紙に漫画が描いてあったりするのだが、更に本の底に菌の顔が浮かび上がるような仕掛けがしてあるのには驚いた。こういう無駄な遊びっていいねえ。