『さよならジュピター』を見た。

日本映画専門チャンネル小松左京特集で放送されたものを見た。あまり期待していなかったのでこんなものかと思いながらもあまり面白くはない作品だった。人類滅亡の瀬戸際だというのに緊迫感を煽る演出がない。パニックもなく上層部の苦悩もなく、物語の背景については説明不足のままプロジェクトだけが進行する。そのせいでプロジェクト自体の重要さが今ひとつ伝わってこない。だからプロジェクト決行直前のテロによる木星爆破妨害のサスペンスも盛り上がりに欠ける。総じてジュピター教団絡みのエピソードはなくてもいいんじゃないかと思われ、人類を救うためのプロジェクト遂行に焦点を絞って話を作ればどうだっただろうとも考えてしまう。
話の本筋とは全く関係ない話。『THE MAKING OF さよならジュピター』の座談会で新井素子さんがこのように仰っている。

新井 ホースがかわいい(笑)
大原 ホースって、どの人?
新井 ううん、ラスト近くに円型の部屋が出てくるでしょう。
司会 調整室ですね。
新井 あそこが爆発すると、上からジャバラのホースが山のように落ちてくるの(笑)。長くってのたくって、おまけに煙まではいてて、とってもかわいかった(爆笑)。

このホースの動き、じっくり観察するとどこかで見た記憶がある。つらつら思い出してみるに、キングギドラの首の動きとそっくりなんである。操演でのたくる様がまるで同じ。新井素子さんはキングギドラも可愛いと仰っておられたが、もしかすると長い物に何か過剰な思い入れでもあって*1、それでのたくりまわる動きがお好きなのかも知れない、と想像したりした。

*1:顔は猫、体は蛇のキャットテイルのぬいぐるみもお気に入りでしたな。