2015年2月の読書記録

読んだ本の数:9冊

レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ (1) (イブニングKCDX)

ある想定と現実を比較してあなたがその想定された状態にないのはあなたの努力が足りないからだとする論法はあらゆる立場の人間の尊厳を奪い追い詰めるのに都合がよいので霊感商法、不要社員のリストラ、同志の粛清など幅広くご利用頂けます。
始まりました。
読了日:2月24日 著者:山本直樹

ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド

単行本未収録・未発表作品を集めたマニア向け単行本。見たことないのばっかりで楽しかった。『奇想天外』に掲載された高千穂遙「変態の方程式」の挿絵はこれか、という感慨。
新井素子関連作品も二作を収録。

「スリーパーダン」(ハインライン夏への扉』のパロディ)は初出時とページの順番が違っていると思う。初出ではP.121と122の間に124が入り123がオチだった記憶。でないとP.123の「ぶ〜す〜じ〜ま〜」が意味不明だよね。「ぶ〜す〜じ〜ま〜」を連発する老婆は夢枕獏サイコダイバー・シリーズで毒島獣太と共演している陰陽師のひるこ。吾妻ひでおは当時SFマガジンで連載されていた「題名募集中(仮)」の夢枕獏回のイラストで毒島獣太が大好きと言っていた程お気に入りだったらしい。雑誌が手許にないので確認できない。
読了日:2月22日 著者:吾妻ひでお

乙女の読書道

明日(2月22日)開催の「池澤春菜堺三保のSFなんでも箱#16 ゲスト・新井素子」には行けないのでせめてどんな人がどんな話をするのかその一端なりとも知ってみようと思って読んでみた。やけに東京創元社の本が多くなかったかと思ったが最初から見返してみたらそうでもない。印象に残った書評に東京創元社の本が多かったということのようだ。登場する本で読んだことがあったのは二冊だけで、初めて知ったり知ってても読んでない本ばかり。それでも興味を惹かれたのがけっこうあった。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの名前は覚えたし池澤夏樹の『双頭の船』はその内に読もうと思う。
幼い頃から読書の虫だった池澤春菜氏は今でも年間300冊以上の本を読むそうで、やはり読書の虫で今も仕事の合間に膨大な量の本を読み続ける(ていうか読書の合間に家事や仕事をしているといった趣もある)新井素子さんとどんな会話が交わされるのかはとても気になるのだった。行けないけど。*1
P.191「その後わかったこと。恋愛は年季でもなく、たんに素養の問題でした。」て追記に共感を覚えつつどんな経験がこう言わせたのかがとても気になるっていう。
読了日:2月21日 著者:池澤春菜

乙女の読書道

乙女の読書道

アウトランドヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました (一迅社文庫)

いやあ楽しかった! 高校中退のポジティブニート男子がある日突然見渡す限り茶畑の広がる静岡県華川市に置き去りにされたことから始まるカントリーライフ。華川市は架空の町だが作者さんの故郷である菊川市がそこはかとなくモデルとなっているので、ここいらの人間が読むと小ネタで笑ってしまう筈。お茶農家の女子中学生がお茶について熱く語るその内容が全て年寄りの日常会話みたいな遠州弁で書かれていて、そのミスマッチに思わずニヤニヤしたりとか。全編から醸し出されるあったかい雰囲気がとてもよかった。またこのキャラたちに会いたいです。
読了日:2月20日 著者:マサト真希

黄金の盾 グイン・サーガ外伝 第26巻 (ハヤカワ文庫JA)

文章のこなれ具合と読みやすさから俄に信じがたいが、作者さんは「グイン・サーガ トリビュート・コンテスト」に応募するまで小説を書いたことがなかったそうだ。タイス編を深く掘り下げて極上の味付けを施しグインとヴァルーサの間の因縁を鮮やかに描き切った手腕は並ではない、と思った。面白かった。
あとがきがけっこう泣かせる。久美沙織牧野修が書いた外伝は読んでなかったが読まねばという気になった。この後は135巻『紅の凶星』を読むつもりだったんだけれども気が変わった。外伝1巻『七人の魔道師』を再読することにする。
読了日:2月19日 著者:円城寺忍

黄金の盾 (ハヤカワ文庫JA)

黄金の盾 (ハヤカワ文庫JA)

ルパン三世アニメ全歴史 完全版

図書館で借りて読んでみた。資料が充実していて眺めていると楽しい。金があったら買いたい処だ。主要キャラクターの線画設定が掲載されているが、新ルパンのはアニメとはけっこう違うような。
読了日:2月13日 著者:トムス・エンタテインメント

ルパン三世アニメ全歴史 完全版

ルパン三世アニメ全歴史 完全版

犬とハサミは使いよう Dog Ears (4) (ファミ通文庫)

読んでる間中ニヤニヤが止まらない大好きなシリーズがこれにて大団円。しんみり。と思ったらアニメBD&DVD特典の短編6本+描き下ろし1本を収録した『犬とハサミは使いよう ANOTHER』が3月30日発売だと! この馬鹿騒ぎはもうちょっと続く。楽しい。
読了日:2月12日 著者:更伊俊介

アクロイド殺し (ハヤカワ・クリスティー文庫)

ジュンク堂書店池袋本店の新井素子書店で購入した本。途中で犯人が判った。論理によらず直観だけど。中学時代に辻真先のミステリを読んで以来警戒心が強くなっているかせいかも知れない。
アガサ・クリスティーの小説を読んだのは初めて。ぐいぐい読まされてすごい面白かった。興奮した。その人を犯人だと仮定しても仕組みの判らないトリックが一つあったんだけどポアロ探偵さすがだ。こんなに面白いなら〈名探偵ポアロ〉シリーズ全部読みたくなるな。今んとこ実現不能だけどいつか……。
読了日:2月10日 著者:アガサ・クリスティー

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

社員たち (NOVAコレクション)

会社勤めの楽しさと悲哀と底の知れない不安と果てしない不気味さを描いた短編群を収録した作品集。人間はそれでも生きている。「社員食堂の恐怖」が特に好き。
読了日:2月4日 著者:北野勇作

社員たち (NOVAコレクション)

社員たち (NOVAコレクション)

2015年1月の読書記録

読んだ本の数:21冊

宝石の国 (1)-(3) (アフタヌーンKC)

『虫と歌』の最初の話を読んだ瞬間に市川春子はなんかすごいと思ったが、そこから読み進めた『宝石の国』で話も絵もどうしたらこんなイメージが湧くんだろうと度肝を抜かれた。面白い。可笑しみと哀切さにやられる。
読了日:1月31日 著者:市川春子

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)

宝石の国(2) (アフタヌーンKC)

宝石の国(2) (アフタヌーンKC)

宝石の国(3) (アフタヌーンKC)

宝石の国(3) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

読了日:1月31日 著者:市川春子

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

姪姪1から借りた。たくさんの人がいてその関係性の中でも結局僕は一人きりで誰にも届かない思いを抱えながら生きていくんだ。よい短編集。切ないなあ。切ない。
市川春子を続けて読む。
読了日:1月28日 著者:市川春子

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

現代魔女図鑑 (2) (REXコミックス)

魔女たち(男も含む魔法能力者)が普通に生活する現代社会を舞台にしたオムニバス短編集の第2巻。相変わらず良い。
「或る魔女たちの部活動」の意外な魔法陣と最後のコマが好き。「或る魔女と兄」の冒頭の駅のホーム、「浜松・豊橋方面」とあるから東海道線だと思うんだけどどこがモデルなんだろう。
読了日:1月28日 著者:伊咲ウタ

ハルロック (3) (モーニングKC)

ダメ発明漫画だと思っていたので起業という流れは予想外だった!
うれしすぎてその気持ちを相手にぶつけたいのにドン引きされたらどうしようという葛藤から素っ気なくしてしまう、というのが判りすぎて泣いた。うに先輩は賢い良い子だがその人たちは危険だから気をつけた方がいいと思います。
読了日:1月26日 著者:西餅

ハルロック(3) (モーニング KC)

ハルロック(3) (モーニング KC)

GIANT KILLING (34) (モーニングKC)

亀井の私生活が意外だ。意外なオシャレ好きと言えば越中詩郎を思い出す。
読了日:1月24日 著者:ツジトモ

GIANT KILLING(34) (モーニング KC)

GIANT KILLING(34) (モーニング KC)

超級! 機動武闘伝Gガンダム 爆熱・ネオホンコン! (6) (カドカワコミックスA)

ドモンさんよ「だったらいいか!!」じゃねーよ! くそわろた。
読了日:1月23日 著者:島本和彦

王妃マルゴ (3)

敵と恋人と伴侶。見えてきたんではないだろうか。相変わらず史実は知らないまま読んでいる。人間模様が面白い。
読了日:1月22日 著者:萩尾望都

王妃マルゴ 3 (愛蔵版コミックス)

王妃マルゴ 3 (愛蔵版コミックス)

ルパン三世 (10) (双葉文庫)

全10巻、これにて完結。コミカルだけど虚無的、退廃的な感じのする最初の連載からより軽快な新シリーズへの移り変わりは興味深かった。お色気満載なのは変わんないけど。ルパンはワルサーP38を使っていないし次元は射撃の名手でもない。あの設定てアニメ化された際に確立されたものだったのか。『新ルパン三世』(1977年連載開始/双葉文庫・全12巻)はアニメの設定を意識した内容なんだろうか。その内に読もう。
読了日:1月18日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (9) (双葉文庫)

新シリーズの雰囲気はアニメ2ndシリーズに近いような気がする。物語からニヒルな味わいが減り絵柄が明るくなったせいだろうか。
読了日:1月17日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (8) (双葉文庫)

十年金庫の話はテレビマガジンの漫画でも読んだ。オチがあっさりし過ぎじゃないかと子供心に思ったが原作通りだった。コミックスで続けて読んでいるとそのあっさり感は既におなじみで、これはこれでいいと思える。第2シリーズでアニメ化された。
読了日:1月16日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (7) (双葉文庫)

第94話「さらば愛しきルパン!」で連載は一旦終了したらしい。期間は1967年8月-1969年5月。95話以降はアニメ第1シリーズの放送開始に合わせて連載が始まった「ルパン三世 新冒険」というシリーズらしい。期間は1971年8月-1972年4月。文庫版7-10巻まで。
五右ェ門が仲間になったと思ったらまた戦ってたりと話の展開がなんだかおかしいので収録順と雑誌掲載順が違うのではと思ってたがやっぱりそうらしい。初出を全部調べた猛者のサイトがあった。→【TYPER'S ルパン三世探索隊】 すごい。
で、第1シリーズの放送は1971年10月-1972年3月。この時新井素子さん11歳。第2シリーズの放送開始が1977年10月。新井素子さんが17歳でデビューしたのが1977年12月。「ルパン三世」の言葉が使われた件の毎日新聞インタビューは1978年1月。第2シリーズを見てた?
読了日:1月15日 著者:モンキー・パンチ

ダンジョン飯 (1) (ビームコミックス)

短編集3冊が大評判となった九井諒子初の連載漫画「ダンジョン飯」、その第1巻がついに刊行。待ってました。金も時間もない勇者様ご一行はダンジョンの中で食料調達に励みながら最深部を目指す。出て来る料理はみなうまそうだがその食材が……て処が面白い。マルシルが色々とかわいい。RPG好きには超おすすめ。
読了日:1月14日 著者:九井諒子

ルパン三世 (5) (双葉文庫)

次元と五右ェ門は仲間然としてきたが峰不二子は相変わらず不定な存在なんですな。まさに謎の女。巻末コラムの「ルパン三世、愛用の拳銃は?」が参考になる。
読了日:1月13日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (5) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世 (5) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世 (4) (双葉文庫)

1-3巻までは話に登場する悪女の名前が全て「峰不二子」だったり五右エ門も仲間になったと思ったら敵で再登場したりと統一した設定がなくナンセンスな連続読み切りという形だったが、4巻57話「トリプル・プレイ」で初めて主要キャラの紹介が行われた。これ以降はこの設定を引き継ぐのだろうか。
読了日:1月12日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世(4) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世(4) (双葉文庫―名作シリーズ)

新装版 栞と紙魚子 (3) (Nemuki+コミックス)

「古本地獄屋敷」の回、思い当たることが多すぎて笑えるんだが笑顔が引きつる。他にも本がらみの怪事件が多くて楽しかった。段先生の奥さんは小さくなると美人だな。
読了日:1月9日 著者:諸星大二郎

新装版 栞と紙魚子3 (Nemuki+コミックス)

新装版 栞と紙魚子3 (Nemuki+コミックス)

第六ポンプ (ハヤカワ文庫SF)

北野勇作の『社員たち』を読もうと思っているんだが収録作に「大卒ポンプ」がある以上これも読んでおいた方がいいに違いないと勝手に思い込んで読んでみた。最近の海外SFの動向はほぼ知らず作者は割と話題の人らしいという程度の認識であったので内容にはかなり面食らったがとても刺激的だった。長編『ねじまき少女』は収録された短編のうちのいくつかと同じ世界の話らしい。その内に読もう。
読了日:1月4日 著者:パオロ・バチガルピ

第六ポンプ (ハヤカワ文庫SF)

第六ポンプ (ハヤカワ文庫SF)

2014年12月の読書記録

読んだ本の数:12冊

ルパン三世 (3) (双葉文庫)

少年期の話に祖父アルセーヌ・ルパン、父ルパン二世が登場。五右エ門が仲間に。「あるヤングマンの場合」がよかった。
読了日:12月30日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (3) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世 (3) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世 (2) (双葉文庫)

「ルパンに関する12章」てテレビマガジンに載ってたルパン三世の漫画で同じネタを読んだ覚えがある。成井紀郎が描いていたと記憶していたが描いていたのではなく構成担当だったらしい。絵は誰が描いてたんだろう。
峰不二子は同じ顔同じ名前の別人物として何回も登場する。何か意味があるんだろうか。
読了日:12月25日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (2) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世 (2) (双葉文庫―名作シリーズ)

ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere (楽園コミックス)

鶴田謙二の漫画は買うのです。徹頭徹尾裸女だけどエロかったりエロくなかったりバカバカしかったり自然体だったり自堕落だったりで楽しいです。今店頭に並んでいるものには帯が付いているのでamazonの表紙画像はネタバレだなと思います。
読了日:12月24日 著者:鶴田謙二

バビル2世ザ・リターナー (11) (ヤングチャンピオンコミックス)

バビル2世てよりなんかもうすっかりマーズて感じなんですけどあの状況を浩一くんはなんとかできるんでしょうか。相変わらず開いた口が塞がらない(褒め言葉)。
読了日:12月19日 著者:横山光輝

REAL (14) (ヤングジャンプコミックス)

つながってる。いろんなものがつながってる。15巻は2016年春。
読了日:12月19日 著者:井上雄彦

REAL 14 (ヤングジャンプコミックス)

REAL 14 (ヤングジャンプコミックス)

ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために

ライトノベルから見た少女/少年小説史』というより『少女/少年小説史から見たライトノベル』という感じ。結論が先にあるようなのでライトノベルについて考察する第1章の議論の道筋は腑に落ちない点が多い。ラノベの起源論争は小説の歴史を知らないため起こったと他者の議論を批判する割に読者側で「ライトノベル」という言葉が開発されるに至った理由とその歴史についての考察は全く行われていないこととか。もっとも以前twitter上で著者の方と別の著書についてほんの少しだけお話した処ではそうした受容側の言い分は研究対象ではないようである。研究室から見た歴史と市井の読者の感覚の間に横たわる溝は深く穿たれたままずっと平行線を描いて行くのでは。
新井素子ファンからの不満。「コバルト作家による一般文芸への越境」の一例として新井素子さんの名前が挙がっているけれどもこれは誤った認識で、そもそも新井素子さんは一般文芸(SF)出身であって、「越境」という言葉を使うなら反対にコバルトへと「越境」してきた人である。そもそもコバルトでデビューした作家の呼称である「コバルト作家」ではないし、コバルト文庫作品と平行して文芸単行本も発表し続けていた。当時の新井素子という作家にはジャンルや出版形態の境などは存在しなかったし、「越境」という言葉が使われること自体がふさわしくないと言える。先日行われたトークショーでは読者からライトノベルと一般小説の違いを訊かれ、それはなくてあくまで売る側の都合ですとお答えになられたらしい。その認識が現状を正しく反映しているかどうかは別の議論だが、昔からカテゴリにとらわれない創作姿勢の元に小説を執筆なさっているとすれば、コバルト文庫から小説を出版していたからと言って「少女小説」というカテゴリに安易に分類するのも再考の余地があるのではないかと思ったりもする。この本で分類された「少女小説」の特徴から新井素子さんの小説はずいぶん外れているのだが、それにも関わらず「少女小説」カテゴリで名前を登場させているのも納得が行かない点ではある。
第2章」は興味深かった。こういうののもっと深い内容を期待していた。たまにこういう本を読むと内容に賛同できない点が多々あるにしても色んなヒントをもらったり問題点が整理されたりぼんやり考えていたことの輪郭がはっきり浮かび上がってきたりするから面白い。
読了日:12月18日 著者:大橋崇行

たいようのいえ(12) (KCデザート)

最初から最後まで泣く。番外編まで泣く。空海というネーミングの理由てこの巻まで出てこなかったっけ。うー思い出せない。
読了日:12月12日 著者:タアモ

たいようのいえ(12) (KC デザート)

たいようのいえ(12) (KC デザート)

新装版 栞と紙魚子 (2) (Nemuki+コミックス)

相変わらず不気味楽しい話がいっぱい。2巻は怪奇分多めでそこを更に自作パロディで攻めてくるのでたまらん。完全に反則だろと思いながら大笑いした。巻末の描き下ろし新作読み切りはよくこんなこと考えつくなあと驚かされた。
読了日:12月6日 著者:諸星大二郎

新装版 栞と紙魚子2 (Nemuki+コミックス)

新装版 栞と紙魚子2 (Nemuki+コミックス)

海月と私 (3) (アフタヌーンKC)

旦那さんの無駄な抵抗が可笑しい。この心理的障壁が撤廃される日は来るのかそれとも。いよいよ佳境?
4巻は来年夏頃発売予定とのこと。
読了日:12月6日 著者:麻生みこと

海月と私(3) (アフタヌーンKC)

海月と私(3) (アフタヌーンKC)

不動の魂 桜の15番 ラグビーと歩む

ラグビー日本代表ヤマハ発動機ジュビロに所属する五郎丸歩の自伝。ラグビーに関する本を読んだのは子供向けの入門書『すぐわかるラグビー ルールと試合』以来たぶん2冊目。俺はヤマ発ジュビロのファンで、ラグビーを見るのは好きなんだが競技に関する知識もあまりなく(大学の体育実技で1年間やった程度)日本ラグビー界の歴史や現状もあんまり知らない。で、W杯日本開催も決まったことだし勉強してみたいなと思っていた時にちょうどこの本が刊行されたので、渡りに船と読んでみた。そんな訳なので書いてあることが初めて知ることばかりで選手の競技生活や取り組み方、その内面など一つ一つが興味深く感心しながら読んだ。あの仕草やプレイにはこんな意味があったのかとか目から鱗が落ちることも度々だった。ヤマハ発動機の業績不振でラグビー部の活動縮小が発表された時のチームの様子や語られる心境が読んでいて辛い。チームの存続のために社内のラグビー部OBの方々も尽力したそうである。再び強化に力を入れることができるようになって本当によかった。
あと意外な名前として格闘家の高阪剛が登場したのに驚いた。ラグビー日本代表で行っているレスリングトレーニングのスポットコーチとして招かれたことがあったらしい。世界で戦うための心構えには五郎丸選手も感じるものがあったそうだ。これもまた興味深い。
ラグビーの魅力に改めて触れることができて五郎丸選手をもっと応援したくなった。いい本を読んだ。
読了日:12月4日 著者:五郎丸歩

不動の魂 桜の15番 ラグビーと歩む

不動の魂 桜の15番 ラグビーと歩む

K体掌説

「21世紀の稲垣足穂か、はたまた星新一か。ショートショートに驚異の新人現る。」
と帯にある。いやはやとんでもない新人が現れたものだ。収録された掌編はくすっとしたりぞくっとしたりなるほどと思ったり茫然としたりナンセンスだったりSFだったり多種多様だがその全部が面白い。
またこの本、手触りとか質感が気持ちいいもんだから久しぶりにカバーを掛けずに読んでしまった。重すぎず軽すぎないので片手で持って次々にページをめくるのもむやみに楽しい。内容も含めて読むことの快感に浸らせてくれる本であった。『幻想神空海』で語られていたテーマが素材のままシンプルに料理されていたりするのもニヤッとさせられた。
読了日:12月3日 著者:九星鳴

K体掌説

K体掌説

幻想神空海

夢枕獏が語り下ろす空海本。第一部では今何に興味があって空海をどういう人だと思っていてそれが創作とどう結びついているかが語られ、第二部では『ブッダの方舟』でも登場した真言宗般若院住職・宮崎信也という「プロ」相手に対談が行われ空海やそこから派生した多岐に渡る話題が語られた。改めて獏さんて仏教の知識偏ってるし理解の仕方も間違ってる部分あるよねと思ったけどむしろ断片的な知識からド太い物語を紡ぎ出してしまう作家の想像力と技量の凄まじさというものを見せつけられたと思った。学者じゃないし学術書じゃないんだから多少間違ったこと言ってたって話が面白ければ全然オッケーなのである。
第一部の自分語りはファンは面白く読める筈、てか面白く読んだ。第二部の対談は、自分の思い入れのある対象についてあーでもないこーでもないあれもあろうこれもあろうと同好の士と頭に浮かんだことを次から次へと語り倒すのって語ってる本人たちが一番楽しいのよなと微笑ましい。プロレスを見た帰りに一緒に行った友達と酒飲みながら「私のアントニオ猪木論」とか「私の新日本プロレス論」とか「私のUWF論」とかツバ飛ばしながらまくし立てていたあの頃を思い出した。
読了日:12月2日 著者:夢枕獏

幻想神空海

幻想神空海

一伸堂書店の思い出。

『書店ガール』に登場する一伸堂てあの一伸堂書店から名前をとっていたのか、とものすごく驚いた。著者である碧野圭さんのブログに書いてあった。

一伸堂書店は新大久保駅の近くにある小さなお店だった。勤めていた会社がその近くだったのでほぼ毎日のように通っていた。おじさんもおばさんも気さくな方で、レジでよく話しかけてくれた。会社を辞めて田舎に帰ることを告げたら次に行った時に餞別に図書カードをくれた。よく買ってくれたからって。その図書カードは使わずにまだ持っている。
ゲーム雑誌と格闘技雑誌ばっかり買ってたような記憶。菅野美穂ヘアヌード写真集『NUDITY』が発売された日、残業終わりに慌てて駆け込んだらおじさんがすまなそうに、うちにはないんだよ、今日は新宿の方からも探しに来た人がたくさんいてねえ、と苦笑いしながら言っていたのを思い出した。なぜこれが真っ先に浮かぶ。あ、新井素子さんが帯に推薦文を書いた『ソリトンの悪魔』を買ったのは一伸堂だ。会計の時におじさんが、それ面白いんだってねえ、と声をかけてくれたのを覚えている。本当にお世話になった。懐かしい。

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上記は2014年11月11日のツイートを改訂して転載。その後、碧野圭さんよりリプライを頂いた。

2014年11月の読書記録

読んだ本の数:21冊

おにのさうし (文春文庫)

「染殿の后鬼のため嬈乱せらるる物語」「紀長谷雄朱雀門にて女を争い鬼と双六をする物語」「篁物語」の三編を収録。いずれも男女が濃密に情を交わす場面が登場しその故に切なさが込み上げる。こんな獏さんは久しぶりだと懐かしい感じがした。「篁物語」の道摩法師の無法っぷりがいい。なるほど『陰陽師』の外伝的。
読了日:11月29日 著者:夢枕獏

テツぼん (11) (ビッグコミックススペシャル)

自分の鉄道趣味を追求すると何故か社会に貢献する政策に結びつくという、のほほん鉄オタ国会議員の主人公・仙露鉄男。この巻では父親から引き継いだ地盤を捨てて静岡選挙区にまさかの国替え。理由はローカル私鉄に乗りたくて(笑)。静岡県は原作の高橋遠州の地元でもあり県内の鉄道会社や路線が次々に登場する。静岡鉄道・遠州鉄道天竜浜名湖鉄道東海道線清水港線伊豆箱根鉄道駿豆線御殿場線身延線大井川鐵道飯田線。鉄道を通して静岡県の今とこれからを考えるという視点が新鮮で楽しい。
ちなみに表紙の写真は放送中のTVドラマ『ごめんね青春!』でもおなじみの伊豆箱根鉄道駿豆線である。
読了日:11月28日 著者:永松潔(画)・高橋遠州(原作)

雄飛 (2) (ビッグコミックス)

市井の人間一人一人が必死で生きている感じが伝わってくるのがいい。彼らがこの先どうなっていくのかが気になるので続けて読む。
読了日:11月28日 著者:小山ゆう

雄飛 ゆうひ 2 (2) (ビッグコミックス)

雄飛 ゆうひ 2 (2) (ビッグコミックス)

3月のライオン (10) [BUMP OF CHICKEN]CD付特装版 (ジェッツコミックス)

零くんGOGO! と思いました。
読了日:11月27日 著者:羽海野チカ

ヘルベチカスタンダード 絵 (カドカワコミックスA)

ヘルベチカスタンダードの42から75と「日常」関連のイラストやそれ以外のイラストなどを収録。あらゐけいいちの絵はなんだか好きだ。えんどうまもるは「イナズマイレブン」の主人公の名前。そしてなぜ布啓一郎
読了日:11月24日 著者:あらゐけいいち

チョッキン 完全版 (1)

新井素子さんのコメントが帯に掲載されているという情報を得て購入。大きく「新井素子氏推薦!」の文字が。新井素子さんは当時読んでいたのかそれとも初めて読んだんだろうか、気になる。内容は面白かった。この金銭への執着は不景気な90年代以降の日本では決して笑えないとか思ってしまった。
この巻に収録されている単行本未収録作「主役が50人!?」の回は読んだ記憶がある。本誌で読んだのかと思ったが、「倉田わたるのミクロコスモス」でチェックしたら『ハイパードール』に収録されたので厳密には単行本未収録作ではない、とのこと。もしかしたらそっちで読んだのかも知れない。
読了日:11月24日 著者:吾妻ひでお

チョッキン 完全版 1

チョッキン 完全版 1

鬼灯の冷徹 (16) (モーニング KC)

1ページ目の鬼灯の台詞「特定の食べ物を食べること前提に一日働いてるとなかった時気持ちの方が消化できない」てホントそうだわ、と思った。それ食べるために今日は頑張ったのに〜〜〜みたいな。座敷童子ちゃんたちが相変わらず不気味かわいい。つや消しの黒目。
読了日:11月23日 著者:江口夏実

鬼灯の冷徹(16) (モーニング KC)

鬼灯の冷徹(16) (モーニング KC)

陰陽師 螢火ノ巻

2冊連続で未読の『陰陽師』を読むというのはかつて経験したことがなかったのでとても新鮮でありまた楽しかった。浸る。道満どのの短編が増えてきたのもよしよしという感じ。この流れでこないだ文春文庫から出た姉妹編(のようなもの)である『おにのさうし』も読んでしまおう。
読了日:11月23日 著者:夢枕獏

陰陽師 螢火ノ巻

陰陽師 螢火ノ巻

新世紀エヴァンゲリオン (14) プレミアム限定版 (カドカワコミックスA)

終わりましたなあ。20年か。しんみりした。
読了日:11月20日 著者:貞本義行

陰陽師 蒼猴ノ巻

買い忘れている内に次の巻が出てしまいちょっと慌てて手に取ったんだが読み始めればずっぷしとその世界に浸り込み逸る心など何処かへ去ってしまうのだった。相変わらず良い。いつもは超然としている晴明の心が揺れ動く様が見られるのは珍しいと思った。あと道満どのは実に底が知れない。
読了日:11月20日 著者:夢枕獏

陰陽師 蒼猴ノ巻

陰陽師 蒼猴ノ巻

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)

江戸しぐさ」については、たまにTLに批判的なツイートが流れて来るな、くらいの認識しかなく、どんなものか全く知らなかったんだが、『江戸しぐさの正体』の書評を読んでその怪しげな知識が学教教育の現場でも教えられるようになった、という現状と理由に興味を持ち、手に取ってみた。歴史捏造の経緯や広まっていく過程が面白かった。「コンサルタント業界はオカルトと相性がよ」いというのも改めて納得した。大抵の人にとっては論理的整合性とか歴史的正当性なんてのはどうでもよく、自分にとって都合のよい理屈を広めたりそれに塗れたりする欲求が優先される。
一つ腑に落ちない点がある。”第二章 検証「江戸しぐさ」 パラレルワールドの中の江戸”のP.81「心に肥やしを撒く?」の項、「お心肥」(おしんこやし)という言葉のおかしな処を挙げていくのだが、江戸では「肥やし」と言えば「人糞尿」を指しそんな語感の悪い(と著者は言う)言葉を「江戸っ子」が使う訳がない、とのことである。確かに「人糞尿」は代表的な肥料だったんだろうが、「肥やし」は肥料一般も指す言葉だし「肥」(こえ)や「下肥」(しもごえ)なんて言葉もある中で「肥やし」=「人糞尿」と断言するだけの判断材料は提示されておらず、そこが牽強付会に思えて納得しがたい。「語感が悪い」なんていう、諸条件で左右されがちな個別の感覚を理由として提示されるのものもやはり納得しがたい。詰まる処、「肥やし」=「人糞尿」=「語感が悪い」の=の処の相関関係が本文から読み取れないので説得されなかった。まあ、この辺り納得しがたいのは俺の無知に起因しそうな気も多分にするけれどもね。
読了日:11月19日 著者:原田実

未来へ……

よかった。最後の辺りを読んでいて涙が流れてきた。感動、と言うのともちょっと違う、なんというか、そこから感じられる目線の強さ、確かさ、暖かさ、に胸を打たれる、というか。初めて読んだ時から全然ぶれていない新井素子がそこにいた、という感じ。『ランティエ』連載用の新作を構想中に東日本大震災が発生、その後「読んだ人がニコッとできるような明るい話を書きたい」と構想を練り直して執筆されたのが本作『未来へ……』なんだけれども、こんなに脳天気で、こんなに読んだ者に前へ進む力を与えてくれる物語になるとは。
今更俺が言うようなことじゃないけど、新井素子すごいね。こんな話を書く人はたぶん他にいないと思うので、新井素子ファンはもちろんファンじゃない人も読めばいいと思う。『未来へ……』、猛烈におすすめしたい。
読了日:11月17日 著者:新井素子

未来へ・・・・・・

未来へ・・・・・・

想像ラジオ

第2回静岡書店大賞【小説部門】受賞作。でなければたぶん自発的には手に取らない種類の本である。感想を言葉にするのが難しい。じゃあ読んで後悔したかっていうとむしろ逆で、書店員・図書館員の皆さんが薦める気持ちは判ったんじゃないか、と思う。ちょっと読んでみて欲しい。想像しよう。
読了日:11月12日 著者:いとうせいこう

想像ラジオ

想像ラジオ

書店ガール 3 (PHP文芸文庫)

書店で働く人々を描いた『書店ガール』も3巻目と好調である。身につまされることも相変わらず多いけれどもやっぱり読むと少し元気が出るのだった。最後の1ページに泣いた。この巻では東日本大震災から3年経った今の世情が大きく取り上げられている。人の思いを風化させないため、そしてこれからのために主人公たちが取り組んだフェアがとても素敵だと思った。「託された一冊」というサブタイトルの重みを読み終わった後に噛みしめる。
読了日:11月11日 著者:碧野圭

書店ガール 3 (PHP文芸文庫)

書店ガール 3 (PHP文芸文庫)

売国妃シルヴィア (グイン・サーガ134巻/ハヤカワ文庫JA)

ケイロニア編も嫌な感じに盛り上がってきた。破滅は予告されているとは言えこうしてだんだん現実のものとして現れてくると心が痛む。最後の一文はどういうこと!? 続きが非常に気になる。続刊をなるべく早くお願いします。豹の旦那も気が休まる暇がねーな。
読了日:11月10日 著者:宵野ゆめ

売国妃シルヴィア (グイン・サーガ134巻)

売国妃シルヴィア (グイン・サーガ134巻)

宿命の宝冠 (グイン・サーガ外伝25巻/ハヤカワ文庫JA)

刊行は昨年だが読んでおらず、正編134巻『売国妃シルヴィア』にこちらの登場人物が出てきたので一旦中断し慌てて読み始めた次第。文章がくどくどしい割に具体性に欠けていたりとえらい読みにくかったが話は面白かった。この話の後に書かれた正編132巻『サイロンの挽歌』ではそこまで読みにくいとは思わなかったので、作者さんも鍛錬を積まれているのかも知れない。話に決着は付いていないんだがそれは『売国妃シルヴィア』の方で語られるのだろうか。読むのがますます楽しみになってきた。
読了日:11月7日 著者:宵野ゆめ

宿命の宝冠 (ハヤカワ文庫JA)

宿命の宝冠 (ハヤカワ文庫JA)

栞と紙魚子 新装版 (1) (Nemuki+コミックス)

読むのは初めてである。怪奇な事件に背筋がゾクゾクしつつ奇妙なユーモアにあふれているのが可笑しくて読んでいてくすくす笑ってしまう。楽しい。クトゥルー神話は全然読んだことないけど読んでたらもっと笑えるのかなあ。元ネタはなんとなく判るんだけどね。クトゥルー関連の小説て栗本薫の『魔界水滸伝』『魔境遊撃隊』、菊地秀行の『妖神グルメ』、風見潤の「クトゥルー・オペラ」シリーズくらいしか読んだことない。
尚、この新装版は4ヶ月連続刊行の全4巻、各巻に「描きおろし新作読み切り」が収録されるとのこと。第1巻には「その後の生首事件」を収録。ちなみに諸星大二郎の「あとがき」によると、文庫版は単行本版の途中までしか収録されなかったがこの新装版には全て収録される、とのこと。

読了日:11月7日 著者:諸星大二郎

新装版 栞と紙魚子1 (Nemuki+コミックス)

新装版 栞と紙魚子1 (Nemuki+コミックス)

なぎさ食堂 (1) (バンブーコミックス)

『ねこのこはな』の作者さんによる、女子高生三人娘が美味しい料理を美味しく頂く4コマ漫画。ほわほわな雰囲気とキャラのすっとぼけ具合に微笑が止まらない。出て来る料理が食べたくなる。そう言えばのり弁も久しく食ってないなあ。
♪これっくらいのおべんとば〜こに の歌も地方ごとのバリエーションがあるらしい。なぎさちゃんが歌ってる「きざーみしょうがにごまふりかけて にんじんさん さんしょうさん」の処、うちの方では 「きざーみしょうがにごましおふって にんじんさん ごぼうさん」だった。2・3・4・5と続いて数え歌みたいになってたのか。
読了日:11月7日 著者:藤沢カミヤ

なぎさ食堂 1 (バンブーコミックス)

なぎさ食堂 1 (バンブーコミックス)

図書館戦争 LOVE&WAR (14) (花とゆめコミックス)

涙無くしては読めないところに差し掛かっていてページをめくる度にぼろぼろ泣く訳です。ストーリーは全て把握してるのに! 山場であります。次巻が最終巻?
東京での逃避行の最中に応援してくれてる人たちが手を貸してくれる処が特に泣ける。『通りすがりのレイディ』でテレビの生放送をジャックしたあゆみちゃんに対して飼育された子供たちの衝撃的な映像を見て憤った人々の支援が広がっていった、という場面をなんとなく思い出した。あそこも泣ける。
読了日:11月6日 著者:弓きいろ

図書館戦争 LOVE&WAR 14 (花とゆめCOMICS)

図書館戦争 LOVE&WAR 14 (花とゆめCOMICS)

戦後の講談社東都書房 (出版人に聞く)

今年90歳となった出版芸術社会長の原田裕氏が、タイトルの通り戦後の講談社講談社内の別名義会社として立ち上げられた東都書房について語る。東都書房のことは俺は不勉強にして知らなかったが、戦後のミステリー出版に多大な貢献を果たした出版社で原田氏は編集者として大活躍したらしい。
その創立メンバーの中に新井素子さんの母方の祖父である中里辰男氏の名前を発見して驚いた。中里氏についてはやはり講談社社員であった娘・壽江氏(新井素子さんの母上)がインタビュー「講談社一族として40年」(『小松左京マガジン』第17号掲載)の中で語っているが*1、合わせて貴重な証言である。中里辰男氏は新井素子さんの母方の祖父だけど、同じく講談社の社員だった父方の祖父・新井武助氏のこともきっとご存知なんでしょうなあ。こちらは名前は出て来てない。
ちなみに、本書には新井素子さんとその父上(こちらも元講談社社員)の名前もちらっと出て来る。この辺り、もっと深く伺いたいものである。それは別にしても戦後の出版状況についての話は非常に興味深く、特に山岡荘八徳川家康』の出版にまつわる件は意外の感に打たれて面白かった。
関連ツイートも貼っておく。




読了日:11月3日 著者:原田裕

ルパン三世 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

素研の研究課題だった原作の『ルパン三世』を読み始める。アニメ第2期よりだいぶんハードでドライでエロティックでナンセンスで人を喰った内容。アニメ第1期は原作の雰囲気に近いようで「脱獄」や「魔術師」などアニメ化されたエピソードも収録されている。面白い。文庫なので絵が小さいためかキャラの見分けがつきにくくまたコマ運びの独特な調子もあってとっつきにくかった。中学生の頃に本屋でタダ読みしようとした時にも戸惑いを覚えて読むのをやめた記憶がある。が、もう慣れた、と思う。とりあえず『新・』の前の全10巻をぼちぼち読んでみようと思う。
読了日:11月2日 著者:モンキー・パンチ

ルパン三世 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

ルパン三世 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

*1:このインタビューによると中里辰男氏は『キング』の編集長として定年を迎えたとのことだった。東都書房設立後に再び『キング』の編集長となったのか、それとも定年後に設立に参加したのかは不明。